虐待通報の義務化、明記せず精神医療、厚労省検討会

精神科の強制入院縮小へ 厚労省、将来的な廃止視野

 精神科病院の医師が家族らの同意を得て患者を強制的に入院させる「医療保護入院」について、厚生労働省は21日までに、制度の将来的な廃止も視野に入れ、縮小する方向で検討に入った。医療保護入院は精神科の入院患者の半数近くを占め、不要な長期入院が問題になっているほか、国際的に人権侵害との批判が出ている。前身の制度ができた1950年以来、厚労省が廃止を打ち出すのは初めてとみられる。

 厚労省は、病院職員らに虐待の自治体への通報を義務付けることも検討。有識者検討会での議論を踏まえ、早ければ年内に精神保健福祉法などの改正案を国会へ提出する方針だ。

 

医療保護入院、「廃止」を削除

 精神科病院の医師が家族らの同意を得て患者を強制的に入院させる「医療保護入院」制度について、厚生労働省は15日、有識者検討会の資料から「将来的な廃止」との文言を削除した。日本精神科病院協会(日精協)の委員が反発したことなどが要因とみられ、表現を後退させた形。

 厚労省は3月中旬の検討会に示した資料では、医療保護入院について「基本的には将来的な廃止も視野に、縮小に向け検討」としていたが、15日の資料では「将来的な継続を前提とせず、縮減に向け検討」と修正した。

 厚労省は「現在いる患者が入院できなくなるといった誤解が生じないよう、表現を明確化した」としている。

 

精神科入院、「縮減」も削除 厚労省、さらに方針後退


 精神科病院の医師が家族らの同意を得て患者を強制的に入院させる「医療保護入院」制度について、厚生労働省は30日、「将来的な継続を前提とせず」「縮減」との文言を有識者検討会の報告書案から削除した。当初は「将来的な廃止」と盛り込んでいたが、方針をさらに後退させた形だ。日本精神科病院協会(日精協)が反発したことなどが要因とみられる。
 検討会は6月9日にも報告書をまとめる予定。医療保護入院は精神科の入院患者の半数近くを占め、長期入院が問題になっているほか、国際的に人権侵害との批判が出ている。

 

虐待通報の義務化、明記せず 精神医療、厚労省検討会

 精神医療に関する厚生労働省の有識者検討会は9日、報告書をまとめた。直前までの案では、精神科病院で虐待に気付いた職員らに自治体への通報を義務化する方針を明記していたが、盛り込まなかった。強制入院の制度についても、当初案にあった縮小方針を削除。いずれも日本精神科病院協会が反発したためとみられ、後退した。

 厚労省は年内の臨時国会にも精神保健福祉法改正案を提出する方針だが、当事者や障害者団体からは「患者の権利が守られない」と落胆や批判の声が上がっている。

 虐待については、福祉施設や雇用主には障害者虐待防止法で通報が義務付けられているが、医療機関は対象外だ。

 

元記事

2022年3/21(月) 21:00配信 共同通信

2022/4/15 19:14 (2022/4/15 19:16 更新)西日本新聞

2022年5月30日 17時27分 (5月30日 17時47分更新)中日新聞

2022/06/09 19:17(共同通信)

 

   

 

 

 

 

2022年06月09日|公認心理師:10 保健医療分野, 12 精神保健福祉法