公文書、旧姓でOK

まとめると

  国家公務員が公文書に旧姓使用を政府が認めた。

  政府は、女性活躍推進の一環としてます。

  夫婦同姓を維持するための措置とも考えられます。 

裁判所は一足先に認めていました

  最高裁は2017年6月28日に、判決など裁判関係文書で旧姓を使用することを9月から認容する方針を通達していました。

夫婦別姓は合憲としています

  最高裁は平成27年12月16日、夫婦は婚姻の際に夫又は妻の氏を称すると定める民法750条について、婚姻に際し氏の変更を強制されない自由は憲法上の権利(13条 人格権)とまではいえず、夫婦がいずれの氏を称するかを協議に委ねているのであり、平等権(14条)にも反せず、婚姻・家族に関する事項について個人の尊厳と両性の本質べき平等に立脚すべきとの規定(24条)にも反しないと判示しています。

  24条に反しない理由として、①氏は家族の呼称としての意義がある。家族は社会の基礎的な集団単位なのでそお呼称を一つに定めることは合理性があり、家族の一員であることを外部に示しあるいは外部から認識する機能を有する。②氏を改めることによる不利益はあるが、夫婦同氏制は婚姻前の氏を通称として使用することまで許さないというものではなく、通称使用で不利益は一定程度緩和されている、という点を挙げています。

  このような判決をした裁判所が自ら旧姓使用を禁じるわけにはいかないですし、国や自治体も最高裁大法廷判決に反するような制度を維持するわけにもいかないでしょう。

  逆に、旧姓の通称使用を禁じていては、夫婦同姓制はやっぱり違憲ではないかといわれかねないので、このような措置をとったのかもしれません。

新たな慣習が形成されるのかも

  ちゃんと調べたわけではありませんが、

  江戸時代、大名は夫婦別姓だったが、百姓・町民は夫婦同姓だった。

  明治時代、民法制定前は夫婦別姓だったが、民法制定時に夫婦同姓とされた。

  明治・大正・昭和・平成と約100年間は、旧姓の通称使用はルール違反または裏技・抜け道と捉えられていたように思います。しかし、今回の政府・裁判所の通達をきっかけに、慣習(明文化されていない法律)となるかもしれません。

 

 元記事

公文書、旧姓でOK...国家公務員に全面解禁

YOMMIURI ONLINE

 政府は1日、国家公務員が政府の公文書に名前を記載する際、旧姓使用を全面的に認めると発表した。
 これまでは各府省の内部文書などに限って旧姓使用を認めてきたが、今後は本人が希望すれば、法的効果を伴う行政処分や立ち入り検査など、国民向けに出す法令上の文書についても原則として認める。
 政府が目指す女性活躍推進の一環。全国の自治体にも同様の対応を要請する。
 内閣府によると、職員録や出勤簿などの内部文書では2001年から旧姓使用を認めてきた。国民向けの公文書で旧姓使用を認めるかどうかについては、府省ごとに対応が異なっていた。
 野田総務・女性活躍相は1日の記者会見で「女性職員の意欲向上と働きやすい職場環境づくりに寄与する」と意義を強調した。

2017年09月02日|ブログのカテゴリー:両性の平等, 包括的自由権, 婚姻, 平等権, 憲法, 戸籍法, 親族法