公立病院改革コロナで転換 総務省、統廃合求めず

公立病院の経営改革に関する総務省の方針が大きく転換した。3月に7年ぶりに改定した自治体向け指針で、不採算病院などの統廃合が必要とする従来の見解を撤回。統廃合は求めず、2024年3月までに病院の経営強化計画を作成するよう要請した。新型コロナウイルスの患者受け入れで、各地の公立病院が大きな役割を果たしたのが要因だ。

 総務省が自治体に経営改革を呼びかけたのは07年だ。公立病院は民間では採算が取りにくい過疎地の医療などを担うため、赤字体質なのが特徴。赤字は自治体が穴埋めする場合が多く、経営を立て直さなければ、地方財政が大きく悪化するとの危機感があった。経営改善策として、これまで重視していたのが統廃合を含む「再編・ネットワーク化」だ。07年と15年の2度にわたって策定した改革指針では、自治体に積極的な検討を要請。03年に1007だった病院数は21年に853まで減少し、病床数も15%減った。


 総務省は3度目となる今回の指針で「感染症拡大時に公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識された」と強調。 こうした状況の中、新型コロナの流行で公立病院を取り巻く環境が一変した。全国に占める病床割合が13%なのに対し、各都道府県が感染第5波前の昨年6月に確保したコロナ病床の32%は公立病院。同1月には、人工呼吸器を使った入院治療のうち、約半数を担う時期があった。 総務省は3度目となる今回の指針で「感染症拡大時に公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識された」と強調。再編・ネットワーク化を促す文言をなくし、代わりに「病院間の役割分担や、連携強化」を進めるよう自治体に求めた。

 具体的には、基幹病院が高度な医療を引き受け、周辺の中小病院は初期治療や回復期のケアなどに特化する姿を想定している。限りがある医師や看護師、医療設備を地域内に効率的に配置し、経営効率化と病院存続の両立を図る戦略だ。自治体の判断による統廃合は妨げない。

 総務省は「新たな感染症がいつ流行するか分からず、統廃合を進めれば地元への影響が大きい」と方針転換の理由を説明。「人口減少や医師不足で公立病院の経営は依然として厳しい。地域ぐるみで医療体制を維持する方法を考えてほしい」と話している。

 

 

 

 

元記事

2022/04/18 16:00 共同通信社

 

   

 

 

 

 

2022年05月07日|公認心理師:10 保健医療分野, 11 医事法