府営住宅、日影規制違反で取り壊し?入居者退去も検討

まとめると

 44年前に完成した5階建ての府営住宅で、日影規制違反の可能性があることが分かった

 44年前にも、19年前にも建築確認を求めているが違反は認められなかった。

 府は周囲の居住環境を害する恐れがないとして適用除外を求めたが、堺市は認めなかった。

建築基準法

この府営住宅の都市計画の指定は下記のとおりです。、

第一種中高層住居専用地域 建ぺい率60% 容積率200% 第2種高度地区 準防火地域

 

これを前提に、建築基準法 第五六条の二(日影による中高層の建築物の高さの制限) と 別表第四、大阪府建築基準法施行条例69条の規定をまとめると。

① 第一種中高層住宅専用地機器内にある

②  高さがが十メートルを超える建築物は、

③ 冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで…の間において、

④ それぞれ、平均地盤面からの高さ 四メートルの水平面に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、

⑤ 敷地境界線からの水平距離が十メートル以内の範囲における日影時間  三時間
   敷地境界線からの水平距離が 十メートルを超える範囲 における日影時間  二時間

  以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。

 

 ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合においては、この限りでない。

通達

 ただしがきの、「土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがない」場合については、「建築基準法56条の2(日影による中高層建築物の高さの制限)に係る許可制度の適切な運用について」(昭和61年7月17日建設省住街発57号)があります。

 

 この別紙3には、「日影を生ずる土地の区域が建築物の敷地とならないような措置が講じられており、日影規制を適用する意味がないと認められる場合」が挙げられており、これに沿って措置を講ずることができそうに思えます。

公営住宅

 この仕事をしていると、公営住宅がいかに重要なセーフティーネットかということを思い知ることがあります。

 ただ、公営住宅で困ることは、

  ① 数が少ない(倍率が高い)

  ② 募集回数が少ない 

  ③ 家賃は収入によって減額されるのですが、期日までに収入証明を出さなかったり、滞納してしまったりすると「定価」の家賃を請求されます。そのため、ますます家賃を支払えなくなり、退去させられる場合があります。

  ④ 退去の訴訟で和解を絶対といっていいほどしないこと。

 

 そういう困った点もありますが、ただでも少ない公営住宅を、「緑道に集う人に影響がある」というような理由で壊すような真似はやめていただきたい。

 

 堺市長が自民党(只今選挙中)で、大阪府知事が大阪維新の会というのが影響しているではないかと邪推してしまいます.あと、堺市南区の市議も補欠選挙中です。

実は堺市の嫌がらせではなく(他にも理由があるとか、建て替えまでは求めていないとか)、維新の会のプロパガンダだとすれば、私はまんまと乗せられたことになります。

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 元記事

府営住宅、日影規制違反で取り壊し? 入居者退去も検討
2017年9月19日19時57分 朝日新聞デジタル

 40年余り前に建てられた大阪府営住宅1棟が、建築基準法に違反していた可能性があることがわかり、大阪府が取り壊す方向で検討を始めた。周囲への日影の影響を抑えるための「日影規制」に抵触すると判断されたためだ。

 違反の可能性が指摘されたのは、堺市南区の府営住宅「赤坂台3丁」にある1棟。1973年に完成した5階建てで、全30戸のうち10世帯が入居している。
 大阪府が住宅のエレベーター設置工事を計画し、管轄する堺市に建物の建築基準の確認を求めたところ、今年7月に日影規制違反の可能性があることがわかった。エレベーターの有無にかかわらず、現状でも「敷地の境界から10メートル超の範囲の日影は2時間まで」との基準を超えていたという。
 ただ、この住宅では1998年に増築工事をしており、当時も大阪府が堺市に確認を求めて違反が認められなかった経緯がある。その後、建物の大きさは変わっていないため、増築によって違反建築物になった可能性があるという。大阪府によると「詳しい資料が残っておらず、当時、府や堺市でどのような手続きだったかわからない」という。
 日影ができるのは敷地の隣を通る緑道。「周囲の居住環境を害する恐れがない」などの場合は規制を適用しないという規定があるため、大阪府は「住民がいない場所にできる日影なので例外扱いにしてほしい」と訴えたが、堺市は「緑道に集う人々の環境に影響がある」と認めなかった。
 違反の可能性がある状況は放置できないとして、大阪府は対応を検討。取り壊しとなれば、入居者に同意を得て退去してもらい、移転費用なども補償する考えだ。「20年も経ってこんなことになるなんて」と担当者は嘆いている。(佐藤恵子、大隈崇)

2017年09月19日|ブログのカテゴリー:行政法