印判の歴史

昭和39年刊(平成3年再刊)の石井良助「印判の歴史」という本には、
1 戦国時代 「花押」が用いられたが、手間を省くため「印判」が用いられるようになった。
2 江戸時代中期以降、「印章」が庶民にも普及し、「花押」は武士が鄭重な場面で行うだけになった。
  御定書百箇条には、借用書に「印形」のない場合、訴えを取り上げないとされた。
3 明治6~12年、花押(爪印)があっても「実印」のない証文は裁判上の証拠にならないものとされた。
4 明治10年に「自署・捺印」の制を採用した(私文書のみ)。
5 明治32年の戸籍法で「記名・拇印」も認められた。

 石井氏は、印章は偽造・紛失・盗難の心配があるので、処理すべき文書が多い場面を除いて、「自署・花押」にするのがよいと提言されています。

 しかし、石井氏の提言から50年以上経過し、その間「自署・捺印」が続いてきたのですから、今更「自署・花押」を原則とすることは無理でしょう。

2016年08月23日|ブログのカテゴリー:民事訴訟法, 相続法