<事案>
a → A(買取) → B(譲渡担保)
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税務署
①aさん(子)は、土地・建物を購入しました。しかし、ローンを支払えなかったのでAさん(親)が買取って残代金を支払いましたが、所有権移転登記はしないままになっていました。
②aさん死亡後、aさんの相続人に移転登記を求めたところ拒まれたため、Aさんは移転登記手続請求訴訟を起こしました。。
③AさんはBさんから土地建物を譲渡担保にしてお金を借りました。
④Aさんが税金を滞納してしまいました。
⑤Aさんは②の裁判で勝訴したので、登記はa→Aに移転登記をしました。
⑥Aさんは③の譲渡担保契約に従って、A→Bに移転登記をしました。その際、登記原因は「譲渡担保」としました。
<問題1>
Bさんに移転登記がなされた後、税務署に土地建物を差し押さえされてしまうか?
<答え1>
(1)Bさんは土地建物について滞納処分が行われることを受忍する義務を負う(徴収24Ⅰ)
(2)しかし、Bさんが④(法定納期限等)以前に、②(Bさんへ譲渡担保を設定したこと)を証明した場合には、受任する義務を負わない。適用しない。ただ、証明は公正証書・確定日付・内容証明郵便・公証人の書面による情報提供(徴収15Ⅱ)でしなければならない(徴収24Ⅷ)。
<問題2>
事案⑥の登記原因が「売買」の場合は?
<答え2>
税務署が、実態は「売買」ではなく「譲渡担保」であると証明すれば、土地・建物が差し押さえられることになる。
<問題3>
事案⑥の後、Bさんが譲渡担保権の実行をした場合は?
<答え3>
税務署のBさんに対する告知書の交付 → 実行 あれば、税務署は滞納処分を続行できる(徴収24Ⅶ)。
ということは、譲渡担保の実行 → 告知書の交付 であれば、税務署は滞納処分を続行できなくなる?