まとめると
大阪市の男性は、NHKと受信契約を結んだ後、請求されなかったことから、20年以上、受信料を支払っていなかった。
NHKからの請求に対して、男性は、決まった期間ごとに一定の金銭支払いを受けられる債権は、20年間行使しなければ消滅すると主張した。
最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は17日、20年の時効は適用されないとの初判断を示した。
定期金債権
この事件については、以前に触れたことがあります。
NHK受信料、滞納20年で一切不要に? 未だに残る「時効問題」、最高裁で係争中
定期金債権とは、例えば年金の支給を受ける権利のようなものです。
定期金債権という権利は、基本権と支分権があります。
支分権=定期ごとに一定の給付を請求しうる債権
基本権=支分権を生み出していく基礎となる包括的な債権
民法
第168条 (定期金債権の消滅時効)←基本権
① 定期金の債権は、第一回の弁済期から二十年間行使しないときは、消滅する。最後の弁済期から十年間行使しないときも、同様とする。
② 略
第169条(定期給付債権の短期消滅時効)←支分権
年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。
今回は、基本権自体が時効消滅するのかどうかが問題となりました。
最高裁第3小法廷判決の理由
「20年の時効を適用すれば、契約者が将来生じる支払い義務まで免れ得ることになり、放送法の趣旨に反する」というものです。
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