「嫡出推定」見直し検討へ=無戸籍解消が狙い-法務省

まとめると 

 平成30年7月17日の上川陽子法相の記者会見。

 

 法務省が婚姻中に妊娠した子を夫の子と推定する民法の「嫡出推定」見直しに向け、検討に着手することを明らかにした。。

 

 離婚した元夫の子と見なされるのを女性が嫌って子の出生を届け出ず、無戸籍者となるケースがある現状を踏まえたもので、無戸籍者を解消するのが狙い。

 

無戸籍児問題 

無戸籍児問題については、前にも触れたことがあります。

  無戸籍児問題 ①

  無戸籍児問題 ②

  無戸籍児問題 ③

  「無戸籍」なお700人

  無戸籍者 7割が嫡出推定を避ける

裁判所も違憲とはしませんでした。

<嫡出否認訴訟>民法の規定は合憲、請求棄却 神戸地裁

民法

第七七二条(嫡出の推定)

1 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する

 

推定の及ばない子

 これまでも、前婚の離婚後300日以内に生まれた子でも前夫の子と推定されない場合がいくつかあります。

 

 前夫の子と推定されない場合

  ① 離婚届出に先立ち約二年半以前から夫婦が別居し、夫婦の実態が失われていた場合(最判昭44・5・29民集二三・六・一〇六四) 

 

  ② 父の出征中に懐胎した子(最判平10・8・31判時一六五五・一二八)

  → 子→前夫に、親子関係不存在の訴ができる。

  → 子→現夫に、強制認知の訴えができる。

 

 前夫の子と推定される場合

  ① 別居開始九か月余後に出生した子であっても、婚姻の実態が存しないことが明らかでない場合(最判平10・8・31判時一六五五・一一二)

 

  ② 夫と妻との婚姻関係が終了してその家庭が崩壊しているとの事情があっても、…右の事情が存在することの一事をもって…夫と子との間の父子関係の存否を争うことはできない。(最判平12・3・14判時一七〇八・一〇六)

 

  → 1年以内であれば、前夫→子に、嫡出否認の訴で争える。

  → 子→現夫に、強制認知の訴えができる。

  → 子→前夫に、親子関係不存在の訴はできない。DNA鑑定をして血のつながりがないことを証明しても無理(最判平26・7・17民集六八・六・五四七、最判平26・7・17判時二二三五・一四)

 

どのように見直すのでしょうか?

 無戸籍児のことだけを考えるのであれば、推定は全部なくして、届け出時に血縁上の父を父として届けることができるようにして、異論があれば事後にDNA鑑定で争うという形でいいように思います。

 

 でも、それでは不都合な場面があるんでしょうね。DNA鑑定で「血縁関係なしという」結果になっても親子であると扱わなければならない場合というのはなかなか思いつかないですが。

 

元記事

「嫡出推定」見直し検討へ=無戸籍解消が狙い-法務省

共同通信(2018/07/22-14:12)

 

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2018年07月22日|ブログのカテゴリー:無戸籍児, 親子, 親族法