民事裁判 ITで迅速化 有識者らが初会合

まとめると 

民事裁判のIT化について、「法務省」は平成30年7月24日、有識者でつくる「民事訴訟手続等IT化研究会」の初会合を開いた。

 

IT化を図る範囲などを検討し、2019年度中に法制審議会(法相の諮問機関)に民事訴訟法改正などを諮問する方向だ。

 

裁判記録である電子データの受領確認や証拠の偽造防止をどうするかも焦点となる見込み。

 

「本人訴訟」や、電子手続きを利用できない当事者らに対するサポートの必要性も指摘されている。

 

最高裁判所

最高裁判所は、平成29.8.30に民事訴訟のIT化を決断したと報道されています。

 

「政府」の有識者会議

 政府の有識者会議は平成30年3月にまとめた提言で「紙媒体の存在を前提にしない、訴訟手続きの全面IT化を目指す」との方針を打ち出した。

 

閣議決定

IT化を巡っては、平成30年6月に閣議決定された成長戦略「未来投資戦略」で、

(1)現行法下で平成31年度(2019年度)からウェブ会議による争点整理などの試行・運用を始める

(2)所要の法整備を行い、関係者の出頭を必要としない口頭弁論を実現し、平成34年度(2022年度)ごろからの新制度運用を目指す--などとされている。

 

ウエブ会議

1 平成4年ころ、NTTでテレビ会議システムの開発の話を聞いたことがあります。テレビ会議をつかって東京と大阪で飲み会ができるかどうかを試したところ、最初はうまくいっていたのですが、しばらくすると東京は東京、大阪は大阪でグループができてしまったという話でした。

 

2 平成9年ころ、裁判所で導入されたばかりのテレビ会議システムと電話会議システムを見せてもらいました。それから現在まで20年たちますが、電話会議システムはよく使われるのですが、テレビ会議システムは使ってもらったことはありません。

 

3 最近は、証人保護の観点から、同じ裁判所の別の部屋にいる証人にテレビ会議システム(ビデオリンク)を使って尋問するということがあります。

 

4 閣議決定では、平成31年度から争点整理にウエブ会議を使うとのことです。争点整理ということですから弁論準備手続に導入するのでしょうか。

 

裁判の迅速化?

  これが導入されても、裁判が迅速化されるのでしょうか?

 

  書面に提出が事務所のパソコンだけでできたり、わざわざ出頭しなくても期日の手続きができたりするので、弁護士が裁判所の「門前町」に集まらなくてもよくなるとは思います。

 

  しかし、提出までの準備期間が短くなるものでもないし、裁判官の心証形成が早まるものでもないように思えます。

  当事者の書面をコピペすることで判決の起案は楽になるかもしれませんが、今でも裁判所から書面の文書ファイルをCD-Rで出すよう言われることがあるので、実際にはこれまでと変わらないと思います。

 

  日本よりもアメリカの方がIT化は進んでいますので、もしIT化で裁判が迅速化するなら、アメリカのほうが判決までの期間が短くなるはずです。

  しかし、日本とアメリカで同じ民事裁判が並行して行われたとき、アメリカの弁護士に司法統計を見せたところ、「日本の方が裁判が迅速なので、アメリカの訴訟は却下すべき。」という書面をアメリカの裁判所に提出(ファイル)していました。

 

東京の一極集中化?

  ウェブ会議の導入だけであれば、郊外で事務所を構える弁護士が増えると思われます。

 

  これに加えて、各家庭でスカイプのような無料のテレビ電話を使うのが普通になると、東京の弁護士の地方進出が加速化されることになると思われます。

 

元記事

民事裁判 ITで迅速化 有識者らが初会合 

毎日新聞【和田武士】2018年7月24日 12時28分(最終更新 7月24日 12時37分)

 

 

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2018年07月24日|ブログのカテゴリー:民事訴訟法