無戸籍者 7割が嫡出推定避ける

まとめると

 法務省が把握している無戸籍者をがなお700人いるという記事は先日ありました。

 このうち7割は、嫡出推定により前夫の子とされるのを避けるため、出生届をしなかったとのことです。

 家庭裁判所の手続きを経れば戸籍上も血縁上の子としてもらえるのですが、「家裁での手続きには精神的、金銭的な負担が大きい」ので利用されていないようです。

家庭裁判所の手続き

 家庭裁判所で「前夫との間で親子関係不存在確認」又は「現夫との間で認知」をしたうえで戸籍を取得すれば嫡出推定が破られ、血縁上の父が戸籍に父と記載されます。

無戸籍でも住民票さえ取れれば何とかなります

1 まず、児童福祉関係の行政サービスは、自治体が事実確認をしたり出生届を提示すれば、サービスを受けることができます。

 

2 また、戸籍を取得しなくても、住民票を取得すれば、大半の行政サービスを受けることができます。

  ただ、現在のところ、住民票を取得するには、家庭裁判所で親子関係不存在確認や認知の手続きをしているという証明書をもらって、役所に提出しなければならないので、この点を簡素化できないか。

  出生届を提出するだけで母の住民票に載せることができれば、かなり改善できるのではないでしょうか。

家裁手続の「負担」もなんとかなります

1 さらに家庭裁判所での手続について、弁護士費用・申立費用・DNA鑑定費用がかかりますが、法テラスから立て替え払いをうけることができます。

  法テラスの立て替え払いを受けるためには月収が一定額いかであるなど審査基準がありますが、無戸籍が問題なのであれば、この問題についてのみ審査基準を緩和してもよいのではないでしょうか。


2 家庭裁判所で手続きを受けることに精神的な負担が大きいという部分は、実際に手続きに入れば弁護士も調停委員も好意的であることが分かってもらえるので、この点をわかりやすく広報できれば、と思います。

3 例えば、このような新聞記事がでたとき、「精神的・金銭的な負担が大きいと思ってためらう人が多いのですが、実際はそれほどでもないので、是非法テラスに相談して欲しい。」というようなコメントがあれば、少しは解消されるのではないでしょうか。

  元記事

「無戸籍」の検索結果
無戸籍者700人=7割が「嫡出推定」避ける―法務省集計
[時事通信社]2017-08-25 19:12


出生届が提出されていない無戸籍者が今月10日時点で700人いることが、法務省の集計で25日分かった。このうち、民法772条が定める「嫡出推定」で夫や元夫の子とするのを避けるため、母親があえて届け出ないケースが約7割に上る。無戸籍者は潜在的に1万人を超えるとの見方もあり、同省は無戸籍状態の解消について法務局などに相談するよう呼び掛けている。
民法772条は、法律上の父親について、女性が婚姻中に妊娠した場合は夫、離婚後300日以内に出産した場合は元夫とそれぞれ推定すると定めている。この「嫡出推定」規定があるため、夫の虐待から逃れている女性や、離婚直後に元夫とは異なる男性の子を妊娠した女性は、子が夫や元夫の戸籍に入らないよう出生届を出さないケースが多いという。
同省が統計を取り始めた2014年以降に把握した無戸籍者の累計は1426人。判明後に戸籍を取得した人もいるが、10日現在で700人が無戸籍のままで、このうち131人は成人している。15年3月時点の567人よりも増えている。無戸籍者を支援する民間団体「民法772条による無戸籍児家族の会」は「把握できていない例が多く、実際には1万人以上いる」と指摘する。
無戸籍状態を解消するには、家庭裁判所の調停などで元夫との間に父子関係がないことを確認したり、血縁上の父に父子関係を認めてもらったりした上で、戸籍を取得する必要がある。家裁での手続きには精神的、金銭的な負担が大きく、ためらう人も多い。

2017年08月26日|ブログのカテゴリー:無戸籍児, 親族法