マンション理事長「理事会で解任可」 最高裁が初判断

まとめると

マンションの管理組合の理事会で、理事長の解任決議がなされた。

管理規約には理事会が理事長を解任できるかどうか記載されていなかった。

一、二審は解任できないとの判決。

最高裁は、理事会で選ばれた理事長であれば、解任できると判示。理事会の手続きが適切だったかどうか判断するため高裁に差し戻した。。

 

国土交通省作成の「標準管理規約」

第35条(役員)

2 理事…は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する。

3 理事長…は、理事の互選により選任する。

 

第48条(議決事項)

次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。

十三 役員の選任及び解任…。

 

 多くのマンションが国土交通省作成の「標準管理規約」を参考に、管理規約を作成しています。

 本件のマンションも、上記の条項については、「標準管理規約」どおりです。

 

国交省「新版 マンション標準管理規約の解説」

国土交通省住宅局総合整備課マンション管理対策室監修の「新版 マンション標準管理規約の解説」p149では、第35条の解説として、

「本条には直接触れられていないが、選任の裏返しとして、員は総会の普通決議により解任することができる。特に、理事長については総会決議による解任のほか、理事長に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者が単独でその解任を裁判所に請求することができる(区分所有法第25条第2項)」とされています。

 

 なお「解説」の編著者は「民間住宅行政研究会」となっています。

 新法が制定されたときなどは、同様の「解説」が発行されることが多く、立法担当者分担して執筆し、売上金は所属部署の懇親会費のようなものにつかっているというような新聞か雑誌の記事を目にしたことがありますが、何だったかは思い出せません。

 

事案

 本件の事案は、次のようなものです。

① 総会で理事を選任

② Yを理事長に互選

 

③ Y理事長が、理事会決議を経ないまま、他の理事から総会の議案とすることを反対されていた案件(管理会社を競争入札で決めるべきだという案件)を諮るため、理事長として臨時総会の招集通知を発送。

 

④ 理事会で、Aを理事長に選任、Yを理事長から理事に変更する決議

⑤ 組合員が、AとY宛に、Yを理事から解任する臨時総会の招集を請求。

⑥ Yが理事長名義で、臨時総会の招集通知を発送

 

⑦ 組合員が、⑥の招集通知が規約に違反する(理事長でないYが招集した)として、自ら臨時総会を招集

⑧ 組合員が招集した臨時総会で、Yを解任する総会決議

⑨ 理事会でBを理事長に選任。

 

⑩ Yが管理組合に対し、④の理事会決議の無効、⑧の総会の決議無効確認の訴えを提起。

 

原審

 管理規約に、理事会で理事長を解任する旨の規定がないので、④の理事会で理事長を解任することはできないとして、④の理事会決議、⑧の総会決議のいずれも無効とした。

 

破棄差し戻し

 理事の互選により選任された理事長は、互選を定める規定に基づいて職を解くことができる。 

 

 ④の理事会の手続(招集手続きなど)の瑕疵の有無を審理するため、福岡高裁に差し戻した。

 

 

元記事

マンション理事長「理事会で解任可」 最高裁が初判断
12/18(月) 11:27配信 朝日新聞(岡本玄)

 

平成29(受)84  総会決議無効確認等請求本訴,組合理事地位確認請求反訴事件 平成29年12月18日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄差戻  福岡高等裁判所

 

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2017年12月18日|ブログのカテゴリー:区分所有権法, 物権法