障害のある子どもへの教育を充実させる必要があるとして、文部科学省の検討会議は、すべての教員が採用後10年程度の間に特別支援学級の担任などを2年以上経験することが望ましいとする報告書の案を示しました。
個々の障害に応じた教育へのニーズの高まりとともに、特別支援学級が設置されている小中学校などは8割を超えていますが、特別支援教育の経験がある校長は3割に満たず、特別支援学級の教員は年度ごとに採用される非正規教員の割合が高く長期的な育成が困難な状況が課題となっています。
これについて、文部科学省の検討会議が15日報告書の案を示し、この中ではすべての教員が採用後、10年程度の間に特別支援学級の担任などを2年以上経験することを目指すとしたうえで、担任が難しい場合でも一部の教科を通年で担当して経験を積むことなどが盛り込まれています。
また、特別支援学校の教員に必要な免許を持っている割合は、特別支援学級で31%、特別支援学校でも85%にとどまっていることから免許の保有率を引き上げつつ、人事交流や研修を通し専門性を向上させることが記されています。
検討会議では、特別支援教育は特定の教員だけの課題ではなく、すべての学校関係者が教育の大きな柱として受け止めるべきだとしていて、教育委員会からの意見も踏まえ、今月中に報告書を取りまとめる方針です。
元記事
2022年3月15日 20時31分 NHKnewsweb