まとめると
賃貸住宅大手「レオパレス21」は平成31年2月7日、全国に建てたアパートで、外壁や天井などで建築基準法の規定を満たしていない物件が計1324棟あったと発表した。
このうち一部は耐火性能を満たしていない。
特に天井に問題のあるアパートに住む7782人については危険性が高いとして速やかに引っ越すよう要請する。
界壁が設置されていないことについては、以前、触れたことがあります。
界壁に加えて、1~2階の間仕切りも未完成であるとして訴訟が提起されていたようです。
建築物の防火
都市計画法・建築基準法
都市計画法(8条5号・9条21項) | 建築基準法(61条) | |
---|---|---|
防火地域 | 階数3以上・100㎡超
その他 |
耐火建築物(9条2)
耐火建築物(9条2)・準耐火建物(9条3) |
準防火地域 | 階数4以上・1500㎡超
500㎡超~1500㎡以下 階数3 木造 |
耐火建築物(9条2)
準耐火建築物(9条3) 耐火建築物(9条2)、準耐火建築物(9条3) または法令の基準に適合 一部分が防火構造(9条⑦) |
レオパレスの場合
鉄筋コンクリート造 → 耐火建物
鉄骨造・木造 → 準耐火建物
のようです。
以下では、準耐火建築物の場合を挙げます。
準耐火建築物(建築基準法法9条3)
イ 主要構造部が準耐火構造(9条⑦の2)のもの
a 告示仕様(H12建告1358)
b 大臣認定を受けた仕様
ロ ①と同様の準耐火性能を有するもの(ロ準対)
a 建築基準法施行令109の3①
b 建築基準法施行令109の3②
天井
今回の報道
耐火性能を高めるため、建築基準法に基づき、天井は板を2枚張るよう定められている。だが、問題物件では1枚だったり、規定と異なる材料を使っていたりし、同法で定める耐火性能を満たしていなかったと報道されています。
外壁
今回の報道
今回は、外壁は耐火基準を満たさない材料や方法で取り付けられていた。
隣地境界線に対する外壁
建築基準法63条(隣地境界線に接する外壁)
防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
耐火構造(建築基準法2条⑦)
① 壁…の構造のうち、
② 耐火性能…に関して政令(令107条)で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、
③A 国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(H12建告1399)
又は
B 国土交通大臣の認定を受けたものをいう。主要構造部が準耐火構造(9条⑦の2)のもの
界壁の遮音性能
部屋を仕切る壁については、国の規定と異なる断熱材を使っていたため、防音性能が基準を満たしていない恐れがある。
建築基準法30条
長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、…その構造を遮音性能…に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
建築基準法施行令22条3
遮音性能に関する技術的基準が定められています。
元記事
レオパレス1324棟、外壁や天井基準満たさず 読売新聞オンライン