政府は、社会福祉法人やNPO法人などに業務委託し、子育て家庭を訪れて料理や掃除といった家事を支援する制度を新設する方針を固めた。子どもの親が自身の親の助けを得られないなど育児負担が重い場合、手を差し伸べたり孤立化を防いだりするのが狙い。今国会に提出予定の児童福祉法改正案に明記する方向だ。2024年度からの実施を目指す。関係者が23日、明らかにした。
近所に頼れる人がいないケースを含めて親の育児負担増が懸念され、ストレスは虐待を招く恐れがある。新たな支援案は、市区町村が実施主体となり、NPO法人や社会福祉法人、企業などに業務委託。スタッフが家庭を訪問する。
妊産婦などへの支援を強化 訪問型支援サービスなど 児童福祉法など改正へ 政府
政府は通常国会で児童福祉法などの改正を行い、妊産婦などへの支援強化に乗り出す。
政府が目指す今回の法改正では、出産後の収入が不安定だったり、複雑な家庭事情を持っているなど「出産前の段階から出産後の子育て支援が必要となること」が分かっている「特定妊婦」に対する支援を強化する。政府関係者は「妊婦という早い段階での情報把握・支援が命を守ることにもつながる」と説明する。
具体的な支援策として、市区町村が新たに「子育て世帯訪問支援事業」を創設して、特定妊婦などへの訪問型の支援サービスを行う。この事業では、実際に民間などと協力し、支援員などが家庭を訪問して、調理や掃除などの家事のほか、子どもの送迎や子育てのアドバイスなどが行われる。予算は子ども・子育て支援交付金を想定する。
また、親に頼ることができなかったり、出産に備える家がなかったりするなどの家庭生活に支障が生じた妊婦を対象とする「妊産婦等生活援助事業」を創設する。自治体が用意した住居に入居できたり、支援員が訪問して食事を提供するなど日常生活を支援する。また、子育てに関する相談や助言、産後の母子生活を支援する施設など関係機関との連絡調整を行う。
新型コロナの影響で、出生率の低下が加速、さらに児童虐待の相談対応件数も増加するなど子どもを巡る課題が顕在化する中、法改正により課題解決につながるか注目される。
元記事
共同通信社 2022/01/23 21:01
FNNプライムオンライン 2022年2月21日 月曜 午後0:46