事案1
平成30年9月18日、スーパーマーケットで娘(12)にミニカー41個を万引きさせたとして逮捕された母親(42)の第1審判決が12月6日にあった(懲役2年 執行猶予4年(保護観察付))。
娘は14歳未満であるので刑事責任を問われない。
虐待を受けていた可能性もあるとして保護し、児童相談所に通告した。
事案2
平成31年4月6日、コンビニで、娘(6)にゼリーを店外に持ち出すよう指示した容疑で、無職の女(31)が27日に逮捕された。
母親-間接正犯
このような事案については、以前にも取り上げました。
今まで気づきませんでしたが、母が娘に命じるという、同じような事案が、思いのほか多く報道されています。
娘-触法少年
10歳や6歳の娘には、犯罪は成立しません。
刑法
第四一条(責任年齢)
十四歳に満たない者の行為は、罰しない。
しかし、警察が調査します。
少年法
第六条の二(警察官等の調査)
警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、…(十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした)少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合において、必要があるときは、事件について調査をすることができる。
調査の結果、児童相談所に送致されます。
少年法
第六条の六(警察官の送致等)
警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。
一 …(十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした)少年に係る事件について、その少年の行為が次に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるものであると思料するとき。
イ 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
ロ イに掲げるもののほか、死刑又は無期若しくは短期二年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪
二 前号に掲げるもののほか、…家庭裁判所の審判に付することが適当であると思料するとき。
児童相談所が調査し、家庭裁判所に送致されます。
少年法
第六条の七(都道府県知事又は児童相談所長の送致)
…児童相談所長は、(第六条の六)第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により送致を受けた事件については、児童福祉法第二十七条第一項第四号の措置をとらなければならない。ただし、調査の結果、その必要がないと認められるときは、この限りでない。
児童福祉法
第二七条[都道府県のとるべき措置]
1 略
四 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること。
そして、家庭裁判所の審判を受けます。
少年法
第三条(審判に付すべき少年) 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
二 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
第二四条(保護処分の決定)
家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、第三号の保護処分をすることができる。
一 保護観察所の保護観察に付すること。
二 児童自立支援施設又は児童養護施設に送致すること。
三 少年院に送致すること。
少年法6条の6第1項第2号で児童相談所に送致された場合、第1項1号で送致されても児童相談所が家裁送致の必要がないと考えた場合は、次のような措置が取られます。
児童福祉法
第二六条[児童相談所長のとるべき措置]
児童相談所長は、…少年法…第六条の六第一項…の規定による送致を受けた児童…について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
一 次条の措置を要すると認める者は、これを都道府県知事に報告すること。
一 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。
二 児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関若しくは関係団体の事業所若しくは事務所に通わせ当該事業所若しくは事務所において、又は当該児童若しくはその保護者の住所若しくは居所において、児童福祉司、知的障害者福祉司、社会福祉主事、児童委員若しくは当該都道府県の設置する児童家庭支援センター若しくは当該都道府県が行う障害者等相談支援事業に係る職員に指導させ、又は市町村、当該都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター、当該都道府県以外の障害者等相談支援事業を行う者若しくは前条第一項第二号に規定する厚生労働省令で定める者に委託して指導させること。
三 児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託し、又は乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。
四 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること。
②都道府県は、肢体不自由のある児童又は重症心身障害児については、前項第三号の措置に代えて、指定発達支援医療機関に対し、これらの児童を入院させて障害児入所施設(第四十二条第二号に規定する医療型障害児入所施設に限る。)におけると同様な治療等を行うことを委託することができる。
二 児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関若しくは関係団体の事業所若しくは事務所に通わせ当該事業所若しくは事務所において、又は当該児童若しくはその保護者の住所若しくは居所において、児童福祉司若しくは児童委員に指導させ、又は市町村、都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター、都道府県以外の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第十八項に規定する一般相談支援事業若しくは特定相談支援事業(次条第一項第二号及び第三十四条の七において「障害者等相談支援事業」という。)を行う者その他当該指導を適切に行うことができる者として厚生労働省令で定めるものに委託して指導させること。
三 児童及び妊産婦の福祉に関し、情報を提供すること、相談(専門的な知識及び技術を必要とするものを除く。)に応ずること、調査及び指導(医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合を除く。)を行うことその他の支援(専門的な知識及び技術を必要とするものを除く。)を行うことを要すると認める者(次条の措置を要すると認める者を除く。)は、これを市町村に送致すること。
四 第二十五条の七第一項第二号又は前条第二号の措置が適当であると認める者は、これを福祉事務所に送致すること。
五 保育の利用等が適当であると認める者は、これをそれぞれその保育の利用等に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知すること。
六 児童自立生活援助の実施が適当であると認める児童は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
七 (障害福祉サービスの提供等)が適当であると認める者は、これをその措置に係る市町村の長に報告し、又は通知すること。
八 放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、子育て援助活動支援事業、子ども・子育て支援法第五十九条第一号に掲げる事業その他市町村が実施する児童の健全な育成に資する事業の実施が適当であると認める者は、これをその事業の実施に係る市町村の長に通知すること。
娘と娘の兄弟
児童虐待防止法
第六条(児童虐待に係る通告)
児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
2前項の規定による通告は、児童福祉法…第二十五条第一項の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。
児童福祉法
第二六条[児童相談所長のとるべき措置]
児童相談所長は、第二十五条第一項の規定による通告を受けた児童…ついて、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
一 次条の措置を要すると認める者は、これを都道府県知事に報告すること。
一 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。
二 児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関若しくは関係団体の事業所若しくは事務所に通わせ当該事業所若しくは事務所において、又は当該児童若しくはその保護者の住所若しくは居所において、児童福祉司、知的障害者福祉司、社会福祉主事、児童委員若しくは当該都道府県の設置する児童家庭支援センター若しくは当該都道府県が行う障害者等相談支援事業に係る職員に指導させ、又は市町村、当該都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター、当該都道府県以外の障害者等相談支援事業を行う者若しくは前条第一項第二号に規定する厚生労働省令で定める者に委託して指導させること。
三 児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託し、又は乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。
四 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること。
②都道府県は、肢体不自由のある児童又は重症心身障害児については、前項第三号の措置に代えて、指定発達支援医療機関に対し、これらの児童を入院させて障害児入所施設(第四十二条第二号に規定する医療型障害児入所施設に限る。)におけると同様な治療等を行うことを委託することができる。
二 児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関若しくは関係団体の事業所若しくは事務所に通わせ当該事業所若しくは事務所において、又は当該児童若しくはその保護者の住所若しくは居所において、児童福祉司若しくは児童委員に指導させ、又は市町村、都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター、都道府県以外の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第十八項に規定する一般相談支援事業若しくは特定相談支援事業(次条第一項第二号及び第三十四条の七において「障害者等相談支援事業」という。)を行う者その他当該指導を適切に行うことができる者として厚生労働省令で定めるものに委託して指導させること。
三 児童及び妊産婦の福祉に関し、情報を提供すること、相談(専門的な知識及び技術を必要とするものを除く。)に応ずること、調査及び指導(医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合を除く。)を行うことその他の支援(専門的な知識及び技術を必要とするものを除く。)を行うことを要すると認める者(次条の措置を要すると認める者を除く。)は、これを市町村に送致すること。
四 第二十五条の七第一項第二号又は前条第二号の措置が適当であると認める者は、これを福祉事務所に送致すること。
五 保育の利用等が適当であると認める者は、これをそれぞれその保育の利用等に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知すること。
六 児童自立生活援助の実施が適当であると認める児童は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
七 (障害福祉サービスの提供等)が適当であると認める者は、これをその措置に係る市町村の長に報告し、又は通知すること。
八 放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、子育て援助活動支援事業、子ども・子育て支援法第五十九条第一号に掲げる事業その他市町村が実施する児童の健全な育成に資する事業の実施が適当であると認める者は、これをその事業の実施に係る市町村の長に通知すること。
元記事
娘に万引指示の母親に有罪、滋賀 ミニカー41個、大津地裁 2018/12/6 15:49神戸新聞NEXT
「お金なかった」小1娘にゼリー万引きさせた母逮捕 2019/4/28 09:40神戸新聞NEXT
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